消化管

   症例集:消化管(食道、胃、十二指腸、大腸)    内視鏡を通じてみた消化器病。

 症例1 逆流性食道炎・食道潰瘍

   胃の入り口(噴門)が何かの原因で弱いため、胃酸が食道に逆流し、食道の粘膜が傷ついたりするため起こる現象です。このため、食後に胸焼けする、などの症状がありますが、長引くと症状がはっきりしないこともあります。食道癌との関係も指摘されており、要治療です。




症例2 胃潰瘍

これはよく見かける胃潰瘍です。よく患者さんが、みぞおちの痛みがすこし前からとか、急にとかいって来院されます。ストレスなどが誘引ですが、最近はもっぱらヘリコバクター・ピロリ菌が原因と考えられるようになりました。日本人は、中年以降の保菌率が高く発癌との関係もあるということで、H12年10月から除菌療法が保険で認められたので、潰瘍再発が予防できるようになりました。


 
症例3 出血性十二指腸潰瘍

同じ潰瘍でも、今度は十二指腸潰瘍です。ただし、この症例では左の図の部分が十二指腸球部(胃を出たすぐ後の部分)のさほど大きくなく深くもない潰瘍ですが、実は露出血管というものがあり、ここから絶えず出血しています。このため、出血性ショックとなり命にかかわるので、緊急処置が必要です。右図はそのために胃の中がまるで血の海のようにになっているのがわかりますでしょうか。ここの症例では原因として、多量の飲酒が考えられました。



症例4 早期胃癌

さて、これは胃の胃角上部という部分にみられた一見ちょっとしたびらん(炎症)のようなもの、ですが、実は癌であった症例です。しかも比較的若い人にみられる低分化型腺癌(よくマスコミでも誰か有名人がなると報道される、スキルス癌というものとなります)で悪性度の高い癌でした。でも、これは早期癌であったので、幸いにも早期発見ができた症例です。このような例は健診などでたまたま見出されることが多いのですが、これによる症状はありません。

 

症例5 進行胃癌

火山の噴火口のような形をした胃の進行癌です。このような癌は胃の周辺のリンパ節の癌転移があることが多いので、手術でそれも取り除く必要があります(病巣を含む拡大切除といいます)。 

 


症例6 末期胃癌

かなり前から黒い便とやせが進行していた方です。内視鏡では相当に進行して大きくなった癌と、その部分からの出血があり、また他の臓器に重大な癌転移もありました。残念ながら数ヶ月の経過で亡くなられた症例です。もう少しはやくみていれば、と悔やまれます。



症例7 大腸ポリープ

これも大腸の検査でよく見つかります。大きいものは、原則として癌になりますので、切除術の対象になります。すでに一部が癌化していることもあります。早期であれば内視鏡手術で、開腹手術は不要です。
 
 

症例8 大腸癌

これは内視鏡(左)では前方の視野を全てふさぐ程の進行した癌で、便が出ないという症状がありました。バリウム検査(右)では直腸の細くなった部分の周囲に、欠損部分としてみえない癌が取り巻いています。この位大きいと周囲のリンパ節、臓器に転移が疑われます。


如何でしたか、病気には良性悪性の別はあるとして、いずれにしても
予防と早期発見早期治療が大切ですね。


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